1970年、正に高度成長の象徴としてExpo‘70が千里丘陵で開催されました。
大学進学を控える中、好奇心を抱き見聞を求めアメリカ館に半年間従事し建物美装に携わりカーペットクリニーング、ガラス清掃、化学モップ等先端技術や道具に触れ、近未来において必要不可欠であると感じました。

しかし我国ではコンクリートの建物が増えつつも、住居や寺社は木造が多く400年前の1600年代から存在する「洗い屋」という職業に着目し建物の美を維持する共通目的において古代技術と最新技術を融合させたコンセプトで2年後の1972年に「洗い」の出来る美装業を立ち上げました。

日本人は世界でも最も「清潔」と「美」を重んじると言われてます。
2009年には同志社大学MBAからのオファーで「日本の美と作法」というテーマで留学生さんを前に講演致しました。
同年、名古屋市熱田神宮様より、創祀千九百年大祭に向けた本殿改修工事において、設計仕様上、古代技法（藁の灰から精製し、熟成させたアルカリ液をを使用）を依頼され、一年半という工期の上完工した大事業もございました。

又、翌年2010年には東京大学より「洗い」の起源から歴史的変遷についての聞き取り取材を受け2012年に「木肌処理技術からみた経年に対する美意識の変遷」というタイトルで「洗い」の博士号取得論文として中山利恵教授から発表されました。 この建物を美しく、そして維持する業種が先人が礎を築き現代に至ってるという誇りを持ち、更なる発展と、次世代へ繋がる事を願っております。